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赤ちゃん・子どもの鉄欠乏性貧血について

目次

  1. 鉄欠乏性貧血とは
  2. 鉄欠乏性貧血の原因について
  3. 必要な鉄の量
  4. 鉄欠乏性貧血の症状
  5. 鉄欠乏性貧血の治療

1.鉄欠乏性貧血とは

体の中で鉄分は、赤血球の原料の一つとなりまります。
赤血球は酸素(O2)を運ぶために必要ですので、鉄が不足すると貧血になってしまいます。
(正確には、赤血球という細胞の中の「ヘモグロビン」という、酸素とくっつく部分を作るのに鉄が必要です。
このヘモグロビンが酸素と結合し、酸素が必要な部位まで酸素を運ぶのです。)

鉄欠乏性貧血は大人でもなる病気ですが、貧血になるということ以上に、鉄が足りない場合では赤ちゃんの発達や成長に影響が出る場合があるので大人よりもさらに注意が必要です。

2.鉄欠乏性貧血の原因について

鉄欠乏性貧血は色々な原因(出血しすぎて材料の鉄が足りなくなる、など)で起こりますが、
新生児~赤ちゃんの場合は鉄をとる量が少ないことが原因の場合がほとんどです。

赤ちゃんは

  • お母さんからもらった鉄の量が少ないことがある
  • うまく離乳が進まず、母乳に入っている鉄だけでは足りなくなる
  • 急に体が大きくなって必要な量が増える
  • 偏食などで食事のバランスが偏りやすい

などの理由で鉄の摂取不足になりやすいのです。

お母さんからもらった鉄の量が少ない場合

赤ちゃんは、生まれる前にお母さんから数か月分の必要な鉄をもらって生まれてきます。
このときに、

  • 早産・低体重出生児
  • 妊娠高血圧
  • 妊娠糖尿病
  • お母さんが鉄不足

などの原因によってお母さんから受けつぐ鉄の量が少ない場合があります。
この場合で赤ちゃんに鉄剤などをあげていないと生後6ヶ月未満でも鉄欠乏性貧血になってしまうことがあります
お医者さんに上に書いているようなことを伝えていればお医者さんも赤ちゃんに鉄剤を飲ませたりしていると思いますので、一度確認してみてもいいかもしれません。

離乳が遅れた場合・離乳食の食材が偏っている場合

お母さんの母乳には、普通の食事やミルクより鉄分が入っている量が少ないです。
最初はそれでも体が小さいので鉄の必要な量がとれているのですが、赤ちゃんが急に体が大きくなる生後6ヶ月ごろからは母乳だけではとっている鉄の量が足りなくなります

ここでうまく離乳が進み、鉄を含む離乳食をバランスよく食べさせていれば問題ないのですが、
離乳食が遅れていたり食材が偏っていると生後9~12ヶ月ごろに鉄不足になってしまいます
赤ちゃんが母乳を大好きでも、心を鬼にして離乳食を進めていきましょう。
(もちろん、焦って急に離乳を進めたりしてはいけません!母乳は離乳食を食べ始めても、大切な鉄の補給源です!)

離乳食に慣れ、色々な食材が食べられるようになってきたら鉄を多く含む食材を混ぜていきましょう。
鉄を多く含む食材については次の項、3.必要な鉄の量を参考にしてみてください。
どうしても離乳が進まない場合、一度病院や保育士さんに相談してみてもいいかもしれません。
ここで貧血が出ていたりなどしたら鉄剤を処方してもらうのがよいでしょう。

鉄の含有量が多いフォローアップミルクを月齢9ヶ月ごろから赤ちゃんにあげるお母さんもいますが、これは赤ちゃんに悪影響を与えることがあります。
フォローアップミルクはある程度大きい子ども~大人向けの食品で、赤ちゃん向けのミルクではありません
ミネラルやたんぱく質が赤ちゃんには多すぎるため、未発達の腎臓に負担をかけてしまうことがあるのです。
また、確かにフォローアップミルクは母乳よりも鉄の含有量が多いのですが、母乳に含まれる鉄の方が赤ちゃんが利用しやすいのです。
日本小児科学会でもフォローアップミルクは必要ないということになっています。

自分の子どもが離乳が進んでいないと心配にはなりますが、ここは個人差のある部分です。
焦らずに、ゆっくりかつしっかりと離乳を進めて行きましょう。

3.必要な鉄の量

それでは、赤ちゃんに必要な鉄の量はどれぐらいなのでしょうか?
まず、鉄そのものの必要な量については以下の量になります。

月齢
必要量 推奨量 必要量 推奨量
0~5ヶ月
6~11ヶ月 3.5mg/日 5.0mg/日 3.5mg/日 4.5mg/日
1歳~2歳 3.0mg/日 4.0mg/日 3.0mg/日 4.5mg/日

・・・一応参考にと思ってのせましたが、具体的にどれぐらいとればいいか良く分かりませんね。
これらの数字を毎日計算するのは大変ですので、数字を気にするよりも鉄を多く含んだ食品を離乳食に使っていく方がいいかと思います。
ちなみに、日本では成人でも鉄は不足していると言われていますので一緒に参考にしてもいいかもしれません。

鉄を多く含む食品としては、

  • 肉:赤身の肉(ヒレ・モモ肉など)、レバー
  • 野菜:緑黄色野菜(小松菜・ほうれんそうなど)
  • 魚:赤身の魚(カツオ、マグロなど)
  • その他:海藻(ひじきなど)

などがあげられます。
このうち、赤身の肉や魚に含まれる鉄はヘム鉄といって吸収しやすい鉄となっています。
緑黄色野菜や海草に含まれる鉄は非ヘム鉄といって吸収しにくい鉄ですので、動物性タンパク質やビタミンCを含む食品と一緒に与えて吸収しやすくしてやりましょう。
ビタミンCを多く含む食品としては、淡色野菜・芋・果物などがあります。
動物性タンパク質はもちろん肉や魚です(ちなみに、大豆などのたんぱく質を植物性タンパク質といいます。)。

4.鉄欠乏性貧血の症状

目に見える症状としてはいわゆる貧血の症状で、

  • 顔色が悪い
  • 結膜(まぶたの裏側が白い)
  • 爪が白っぽい
  • 元気がなくなり疲れやすい

などありますが、貧血が軽度だとこれらが分かりづらいことも良くあります。
鉄欠乏性貧血はだんだんと進行していくので、お母さんもその変化に気づきにくいのです。
すなわち、鉄は不足しているのにお母さんから見て症状が全く出ていない時もあるのです。

しかし症状が出ていなくても鉄が不足していると赤ちゃんの発達、特に脳の発達に影響が出てしまいます。、
鉄不足に気づかないまま数ヶ月の間鉄不足が続いてしまうと精神や運動、社会性などの発達の遅れが出ることがあります。
この鉄不足での発達の遅れの影響はお母さんが見ても分からないほどの経度なものですが、一度発達の遅れが生じるとその影響は数年にわたって続いてしまうとされています。
どうしても偏食が治らない・離乳が進まないなどの場合は素直に病院に行って鉄剤をもらいましょう。

ちなみに、一般的に鉄欠乏性貧血の有名な症状といわれるのは

  • 指の爪が上向きに反り返る(スプーン爪・匙状爪(さじじょうそう))
  • 異食症(特定の物質を異常に食べようとしてしまう。特に”氷”など(氷食症))

などですが、これはひどい鉄不足や貧血によるもので、ここまで赤ちゃんの鉄欠乏性貧血がひどくなるのはまれです(ここまで進行するまえに普通は保護者が気づきます)。

5.鉄欠乏性貧血の治療

治療の方針としては、鉄剤を処方しながら鉄不足になっているそもそもの原因を探し・解決することになります。
命に危険が迫っているような状況でなければ輸血はしません。
鉄剤によって鉄不足を治療し、その間に離乳食を進めて鉄をちゃんととれるようにしたり食事指導をしたりするのですね。
治療はあまりにひどくなければ普通は3ヶ月ぐらいで終了することが多いです。

赤ちゃんの場合は少ないですが、どこかから慢性的に出血していて血を消費する量が多いために鉄が足りなくなる場合もあります。
この場合では出血の原因を治療することになります。
例としては潰瘍性大腸炎やガン、生理の出血が多い場合などで、赤ちゃんでは普通はありません。

逆に、鉄は大量にとりすぎると中毒をおこします。
{※中毒の目安としては、1日に200mgです。食事などで鉄を多くとっても中毒になるような量にはなりません。)
赤ちゃんが間違えて鉄剤をビンごと飲んでしまったりしないように、鉄剤は赤ちゃんの手の届かないところに保存しておきましょう。

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