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小児喘息・気管支喘息(ぜんそく)

目次

  1. 喘息(小児喘息・気管支喘息)ってなに?
  2. 喘息の原因は?
  3. 喘息の症状は?
  4. 喘息の治療について
  5. 喘息の家庭での対応

⇒喘息の治療薬の詳細については小児喘息・気管支喘息(ぜんそく)の薬についてをご覧下さい。

1.喘息(小児喘息・気管支喘息)ってなに?

喘息(ぜんそく)で苦しそうにうずくまっている人は見たことがありますか?
喘息は気管支の内側に炎症が繰り返し起こることで、空気の通り道が狭くなってしまうことが原因でおこります。
空気の通り道が狭くなると息がしづらくなりますよね?
呼吸がしにくくなってヒューヒュー・ゼイゼイというあえぐような呼吸になったり、ひどい場合は呼吸困難になったりします。

気管支喘息では、気管支の内側が炎症により細くなります。

現在の日本では小児の約5%ほどが気管支喘息と言われており、その割合はだんだんと増加してきています。
発症するのは1~2歳が多く、患者さんのほとんどは小学校に入学するまでに発症します。
発症すると治るまでに平均で10年ほどがかかります。

喘息は気管支が炎症を起こして呼吸がしにくくなる病気
子どもの約5%が喘息になり、治るまでには時間がかかる。

2.喘息の原因は?

気管支の炎症のせいで息がしづらくなるのは分かった!
では、どうして気管支に炎症が起こるのでしょう?
一番よくある炎症の原因は、気管支がアレルギー反応を起こすことです。
例えばアレルギーの原因として良く知られている、ダニやホコリ、車の排気ガスや花粉などがそのまま喘息を発症するきっかけになります。

したがって、アレルギー体質の赤ちゃんでは小児喘息になりやすい傾向があります。
また、一度喘息を起こした赤ちゃんではそれまでよりも気管支が敏感になっていて(アレルゲンに敏感になっていて)、普通の人よりも炎症が起こりやすくなっています。
従って、喘息になるまでに大丈夫だった刺激にも体が反応するようになることがあります。

例えば、喘息の発作が起きるまでは冷たい空気を吸い込んでも大丈夫だった赤ちゃんが、一度発作が起こってからは冬に運動をすると喘息の発作が起きるようになったりします。
これは気管支が刺激に対して敏感になってしまっていて、ちょっとの刺激でも反応している状態ですね。
このような喘息の発作を引き起こす刺激や状況にはどのようなものがあるのでしょうか?

気管支のアレルギー反応が炎症の原因
喘息になるきっかけはアレルギーになる原因と同じ
一度喘息が発症すると体が敏感になる

3.喘息の症状は?

喘息の症状は大きく分けて2つあり、

  1. 気管支の炎症そのものによる症状
  2. 炎症によって気管支が狭くなることによる症状

それぞれによって色々な症状が出ます。
また、喘息の赤ちゃんの多くはアレルギー性鼻炎を併発しますので、その症状も一緒に出ることが多いです。
このアレルギー性鼻炎による症状も大きくまとめると炎症による症状と言えますので、まとめて説明します。

炎症による症状

気管支の炎症により咳や痰が出るようになります。
アレルギーによる炎症が鼻まで広がっているとアレルギー性鼻炎になるわけですね。
アレルギー性鼻炎では鼻水や鼻づまりなどの症状が起こります。

気管支が狭くなることによる症状

気管支の内側が狭くなることによって呼吸がしづらくなります。
呼吸がしづらくなると赤ちゃんは酸素を取り込みにくくなりますので、息苦しくなったりあまり動こうとしなくなったりします。

また、狭い気管支を空気が通ることで喘鳴(ヒューヒュー、ゼェゼェ)が出るようになります。

喘息に特徴的な呼吸

息苦しさや鼻づまりなどが原因で喘息の赤ちゃんは特徴的な呼吸をするようになります。
これらの特徴は全部揃うものではありませんが、赤ちゃんが呼吸をするのにどれぐらい体力を使ってしまっているかという目安になるのでお医者さんはチェックしています。

  • 息苦しさから、呼吸数が増えます
  • 気道が狭くなって息を吐きずらくなり、呼気が長くなります。
  • 力を入れて息を吸うため、鼻がピクピクします(鼻翼呼吸)
  • 力を入れて息を吸うため、鎖骨の上・肋骨の間などがへこみます(陥没呼吸)
  • 寝転がっていると息をしにくいため、座って呼吸をしたがります(起座呼吸)

4.喘息の治療について

小児喘息の治療と言ったとき、

  • 喘息そのものの治療(寛解・完治を目指す、発作が出ないようにする)
  • 喘息の発作の治療(発作が出てしまった時にその症状を抑える)

の二つがあります。
発作が出ている時というのは気管支がふさがりかけている状態です。
この時はどうにかして気管支を開いてやらなければ窒息してしまします。

一方で発作が出ていない時は、気管支の炎症を抑えてじわじわ気管支を正常に戻していく・発作が起こらないようにする、ということが治療の目的になります。

喘息の症状が出ていない時に飲むお薬

  • 発作が出ないようにする薬
  • 気管支が過敏になっているのを治すお薬

この気管支の炎症を抑え、気管支を正常に戻していく治療は数年がかりで行うものですので効果は実感できないのが普通です。

発作の時に飲むお薬

  • 一時的に気管を開かせる薬

喘息の薬には効き目によって2種類ある。

効果が実感できなくても薬を止めたらダメ!

発作はもう出ていないので薬は必要ない!
薬は本当に効いているの?
・・・と言ってこられるお母さんは多くおられます。
しかし、「発作がもう出ていない」のはお薬のおかげではないでしょうか
薬が必要あるかどうかは専門家以外が判断してはいけません。
もし勝手に薬を止めて発作が出てしまったら、治療は一気に長引くようになってしまいます。
たとえ発作が出ていないとしても必ずお薬を続けるようにしましょう

薬を止めるかどうかは医者が判断する

普段の生活での目標

治療では最終的には寛解(≒完治)を目指しますが、普段の生活上で目指す目標は以下です。

  • 症状のコントロールがされている: 普段の生活上では発作が起きない、吸入薬(=発作時の薬)を使う頻度が少ない
  • 呼吸機能が正常である : 運動や冷気でも発作が起きない
  • 生活の質(=QOL)の改善 : 普通の運動が制限されない。治療で副作用が出ていない。

喘息の治療方針は、子どもの年齢によって使う薬剤などが異なります。
喘息の治療の詳細については小児喘息・気管支喘息の薬についてをご覧下さい。

症状が出ず、生活が制限されない状態を目指す

5.喘息の家庭での対応

小児喘息は長期間にわたって病気とつきあわなければいけません。
従って、

  • 発作が起きないような環境作り
  • 発作が起きたときのための準備

が大切です。
できるだけ発作が起きにくい環境を作ってあげて、万が一発作が起きた時にも対応する準備をしておくということです。

喘息発作が起きにくい環境をつくる

喘息の発作は、

  • アレルゲンを吸い込んだ時
  • 気管が狭まるようなことをした時

に起こりやすくなります。

アレルゲン

  • ダニ・カビ・ホコリ(ハウスダスト)
  • 排気ガス
  • 花粉
  • ウイルス・細菌

自宅にいるときに喘息発作を起こさないようにするためには、こまめな掃除でアレルゲンを家に持ち込まないことが重要です。

自宅で注意すること

  • エアコンのフィルターをこまめに掃除する
  • 空気清浄機などを設置する
  • 部屋に入ったらすぐに着替える(ホコリなどのついた服をすぐ着替える)
  • カーテンを定期的に洗濯する
  • ペットを飼わない
  • 布団をこまめに洗濯する
  • 毛布はシーツでくるむ
  • ソファーはビニールか革のものにする(ホコリがつきにくいもの)

この辺りがポイントでしょうか。
喘息の治療は何年にもわたって必要ですので、上記のことをずっと続けるのは本当に大変です。
けれども喘息ではこのような地道なことが治療に繋がりますので、赤ちゃんと一緒に頑張りましょう。

喘息発作が起きるシチュエーションを避けよう

人間は副交感神経が働く(優位になる)と気管支が細く収縮します。
この副交感神経とはリラックスした時に働く神経です。
リラックスしているのは体に良さそうなものですが、逆に喘息の患者さんではあだになってしまうのです。

したがって、喘息発作が起きやすいタイミングというのは
お風呂に入った後、夜に寝る前、冬に運動した後などです。

お風呂に入った後

お風呂に入ると蒸気を吸い込んで一時的に気管支は拡がります。
しかし、お風呂を出ると体がリラックスした状態で蒸気の無い場所に行くことになります。
結果としてお風呂の後は喘息の発作が出やすくなります。

夜に寝る前

寝る前というのは家の中というリラックスしやすい状態に、お布団の中というリラックスしやすい状態が重なることになります。
さらに、寝具にはダニやホコリなどが貯まっていることもありますので発作が出やすくなってしまいます。
寝る前の発作を避けるため、寝具を常に清潔にすることを心がけましょう。

冬に運動した後

運動中というのは交感神経が活発に働いているために気管支は拡がり、
冷たい空気を吸って炎症が起きたとしても、そのぶん気管支がひろがっているので発作はおきません。
しかし運動を終えると交感神経の働きが弱まり、気管支に炎症が起きた状態で気管支が元に戻るので急激に発作が出てしまいます。

喘息発作が起きた時

ひどい発作でなければ子どもを座らせて首周りの衣服をゆるめ、ゆっくりと腹式呼吸をさせます
(座っている方が呼吸は楽になりますので、壁などにもたれるようにこどもを座らせます。)
激しく呼吸すると悪化してしまいますので、落ち着いて息を吐ききりながら呼吸するようにします。

子どもに余裕がありそうであれば、コップ一杯ほどのお水を飲ませます。
軽く背中をトントンと叩いてやるなどして痰(たん)を出させてあげましょう。

発作が小発作以上であれば吸入薬を用います(病院では注射をすることもあります)。
どれぐらいの発作で吸入薬を使うべきかは個人差があるので、医師に確認しておきましょう。
吸入薬(主にβ2刺激薬など)と吸入するために使う器械(吸入器・ネブライザーなど)はすぐに出せるようにしておきます。
どこかに遠出する場合などでも必ず持っていかなければなりません。
症状が治まっていたとしても、旅行のストレスなどから発作が起こることは多くあります

喘息吸入器使用図

薬を飲む人

発作を起こさないためには子どもの自己管理と生活環境を整えることが大切です。
すなわち、コントローラーとして処方されている薬を決められたとおりに飲み(吸引し)、
発作を引き起こす物質(アレルゲン・抗原)に触れる機会を減らすようにしましょう。

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