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小児喘息・気管支喘息(ぜんそく)の治療とお薬

目次

  1. 喘息そのものの治療薬(長期管理薬・コントローラー)
  2. 喘息の発作の治療(レリーバー)
  3. 喘息・発作の重症度分類
  4. 喘息の治療方針(重症度・年齢別)

⇒喘息の全体についてや、どの薬を使うかなどについては、小児喘息・気管支喘息(ぜんそく)のページをご覧下さい。

1.喘息そのものの治療薬(長期管理薬・コントローラー)

「吸入ステロイド薬」

吸入ステロイド薬は、喘息治療の第1選択薬です。
ステロイドというと不安になる方も多いとは思いますが、現在では吸入ステロイドが一番効果的で副作用も多くないという研究結果が出ています。
なぜなら、吸入ステロイド薬では直接気管支に作用するので必要な量も少ない(飲み薬の場合の1/1000ほど)からです。

ただし吸入ステロイド薬の使用後は、必ずうがいをするようにしましょう。のどについたステロイド薬を洗い流し、カンジダ症などを予防するためです。

吸入ステロイド薬は使用を開始してから3~4日後から効果があらわれはじめ、効果がピークに達するまで1ヶ月ほどかかります。
したがって、発作が起きてから使用しても意味がありません。発作が出ていなくても医師の指示に従って吸入するようにしましょう。

吸入ステロイド薬には、キュバール(べクロメタゾン)、オルベスコ(シクレソニド)、フルタイド(フルチカゾン)、バルミコート(ブデソニド)、
さらに吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬との合剤のアドエア(フルチカゾン合剤)などがあります。

スペーザーやネプライザー(薬を吸入する機械)には様々な種類がありますが、
薬の種類や赤ちゃんや子どもの年齢によってベストな機械は変わるため、医師に相談してみましょう。

「ロイコトリエン受容体拮抗薬」

ロイコトリエンという気道を収縮させる物質の働きをブロックする抗アレルギー薬です。
喘息発作を予防する治療薬として中心に使われています。

商品名は「オノン(プランルカスト)」、「キプレス」、「シングレア」、「アコレート」などです。

オノンはアレルギー性鼻炎にも効果があります。
喘息の子どもの70~80%にアレルギー性鼻炎を合併するため、一石二鳥のお薬でもあります。

「長時間作用性β2刺激薬」

吸入薬・貼り付け薬・経口薬の3種類があります。
それぞれすべて、気管支の平滑筋という筋肉のβ2受容体というところに作用して、気管支を拡張させる薬です。
長時間作用型β2刺激薬は吸入ステロイド薬の補助として用います。(あくまで喘息の治療の主は吸入ステロイド薬です!
発作が起こらなくなったらβ2刺激薬の使用は控え、吸入ステロイド薬をメインに使用することが多いです。

吸入薬としては「セレベント(サルメテロール)」、貼付薬としては「ホクナリンテープ(ツロブテロール)」、
経口薬としては「メプチン」、「スピロペント」、「ホクナリン」などがあります。
他にも長時間作用型β2刺激薬はありますが、喘息の治療薬としてはあまり用いません。

また、吸入薬のセレベントと吸入ステロイド薬を配合した「アドエア」というお薬もあります。

セレベントは吸入してから15分ほどで効き始め、12時間ほど持続します。
基本的には朝と寝る前と1日2回使用します。

ホクナリンテープは、24時間ほど作用時間があります。
皮膚に貼り付けると有効成分が少しずつ身体に吸収され、8~12時間後に濃度がいちばん高くなります。
したがって、寝る少し前などに貼り付けると明け方などの呼吸機能が一番低下するタイミングで一番強く作用してくれます。

「テオフィリン徐放薬」

気管支を広げるはたらきと、炎症をおさえるはたらきの両方を持つ薬です。
徐放薬とは徐々に効くという意味で、普通のテオフィリンはレリーバーに分類されますがテオフィリン徐放薬は長期管理のために用いられます。

喘息の発作の治療(レリーバー)

喘息の発作が出ているときの治療です。
発作の原因は気道が狭まって閉じかけていることですので、発作時には気管支を開いてやることが目的となります。
発作時に家では対処ができなかった場合、ためらわずにすぐに病院に連れて行きましょう。

「短時間作用性β2刺激薬(SABA)」

喘息の発作時の中心的な治療薬である気管支拡張薬です。
長時間作用性β2刺激薬ど同じように、気道の平滑筋のβ2受容体を刺激することにより気管支を拡張させます。
使用後すぐに作用が出始め、4~6時間ほど持続します。

吸入薬・経口薬・貼付薬がありますが、過程では吸入薬を用いることが多いです。
吸入しても発作がおさまらない場合、またはすぐに再発する場合には病院へ行きましょう。

短時間作用性β2刺激薬を長時間作用性β2刺激薬のように発作の予防に使うことはできません。
一日に数回など定期的に使用すると、むしろ予後を悪くしてしまいます(発作が出た時はすぐに使ってください!)。

「テオフィリン製剤(テオフィリン薬)」

気管支を広げ、気管支の炎症を抑えるはたらきの両方を持つ薬です。
テオフィリンは血中で適切な濃度にするのが難しい(正確には、有効血中濃度の幅が狭い)ので、
痙攣(けいれん)などの副作用が出やすいです。
従って、乳児(2歳未満)では医師の監視の下で用い、
幼児(2~5歳)でも他の薬が効かなかった場合などに追加の薬として使用する場合が多いです。

内服薬では「テオドール」「テオロング」「スロービッド」「ユニフィル」など、
注射薬では「ネオフィリン」「テオドリップ」などがあります。

3.喘息・発作の重症度分類

喘息では「発作の頻度」と「どれぐらい日常生活が妨げられるか」で重症度が分類されています。
(正確には下記の見かけの重症度分類に加えて、どの程度治療がなされているかを考慮して分類します。薬を多く飲んでいる人と薬を飲んでいない人が同じ症状だとしたら、薬を飲んでいない人の方が軽度ですよね。)
また、発作の大きさについても重症度が分類されています。

喘息がどれぐらい重症かを考える時に重要なのは、
喘鳴の大きさがそのまま症状の重さなのではない、ということです
下に喘息の重症度分類・発作の重症度分類の表をのせておきますので、参考にしてください。

喘息の重症度分類

症状の程度ならびに頻度
間欠型 ・年に数回、季節性に咳嗽、軽度喘鳴が出現する
・ときに呼吸困難を伴うこともあるが、β2刺激薬の頓用で短期間
で症状は改善し、持続しない
軽症持続型 ・咳嗽、軽度喘鳴が 1 回/月以上、1 回/週未満
・ときに呼吸困難を伴うが、持続は短く、日常生活が障害される
ことは少ない
中等症持続型 ・咳嗽、軽度喘鳴が 1 回/週以上。毎日は持続しない
・ときに中・大発作となり日常生活が障害されることがある
重症持続型 ・咳嗽、軽度喘鳴が、毎日持続する
・週に 1〜2 回、中・大発作となり日常生活や睡眠が障害される
重症持続型
(難治・最重症)
・重症持続型に相当する治療を行っていても中等症持続型以上の症状が持続する
しばしば夜間の中・大発作で時間外受診し、入退院を繰り返し、日常生活が制限される

発作型の重症度分類

程度 呼吸状態 生活の状態
動作 会話 食事
小発作 咳や軽い喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)
呼吸数は正常~少し増加
歩くことはできる 普通の会話ができる 普通の食事ができる
中発作 喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)がはっきり聞こえる
陥没呼吸が見てとれる
呼吸困難を訴えることもある
呼気(吐く息)の1回1回が長くなる
呼吸数が増える
動くとしんどい
動作がゆっくりになる
途切れ途切れになる
単語ごとに喋る
食事で苦しそうにする
大発作 大きな喘鳴が聞こえる
大きな陥没呼吸が見られる
呼吸困難を訴える
横になれない(横になると気管がしまるため)
前かがみになる
呼気(吐く息)の1回1回が長くなる
呼吸数が増える
歩行は困難である 喋ると苦しそうにする 食事がほとんどできない
呼吸不全 しっかりとした呼吸ができていない
呼気(吐く息)の1回1回が非常に長くなる
呼吸数が増える
大きな陥没呼吸が見られる
息が弱く、喘鳴などははっきりとしない
チアノーゼを起こし、顔色が悪い
歩行ができない 喋れない 食事ができない

4.喘息の治療方針(重症度・年齢別)

喘息の治療方針は患者の年齢や治療の進み具合、症状がどこまでコントロールされているかによって決定します。
この決定は医師が行うもので、保護者や本人が自分の治療ステップを勝手に決めてはいけません。
基本的には吸入ステロイド薬を常に用いながら、
症状が不安定な場合にはロイコトリエン受容体拮抗薬や長時間作用性β2刺激薬などを追加していく形になります。
症状がひどい場合には飲み薬のステロイドを用いる場合もあります。

※患者さんが何歳でも、長時間作用性β2刺激薬は症状がコントロールされたら中止するのを基本とします。

2歳未満の小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン

治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4
基本治療 発作の強度に応じた薬物療法 ロイコトリエン受容体拮抗薬
and/or
DSCG
吸入ステロイド薬(中用量) 吸入ステロイド薬(高用量)>
以下の併用も可
ロイコトリエン受容体拮抗薬
追加治療 ロイコトリエン受容体拮抗薬
and/or
DSCG
吸入ステロイド薬(低用量) ロイコトリエン受容体拮抗薬
長時間作用性β2刺激薬
(貼付薬あるいは経口薬)
長時間作用性β2刺激薬
(貼付薬あるいは経口薬)
テオフィリン徐放製剤(考慮)
(血中濃度5~10μg/mL)

2~5歳の小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン

治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4
基本治療 発作の強度に応じた薬物療法 吸入ステロイド薬(低用量)>
and/or
ロイコトリエン受容体拮抗薬*1
and/or
DSCG
吸入ステロイド薬(中用量) 吸入ステロイド薬(高用量)
以下の併用も可

  • ロイコトリエン受容体拮抗薬
  • テオフィリン徐放製剤
  • 長時間作用性β2刺激薬の併用あるいはSFCへの変更
追加治療 ロイコトリエン受容体拮抗薬
and/or
DSCG
ロイコトリエン受容体拮抗薬
長時間作用性β2刺激薬の追加あるいはSFCへの変更
テオフィリン徐放製剤(考慮)
以下を考慮

  • 吸入ステロイド薬のさらなる増量あるいは高用量SFC
  • 経口ステロイド薬

6~15歳の小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン

治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4
基本治療 発作の強度に応じた薬物療法 吸入ステロイド薬(低用量)>
and/or
ロイコトリエン受容体拮抗薬
and/or
DSCG
吸入ステロイド薬(中用量) 吸入ステロイド薬(高用量)
以下の併用も可

  • ロイコトリエン受容体拮抗薬
  • テオフィリン徐放製剤
  • 長時間作用性β2刺激薬の併用あるいはSFCへの変更
追加治療 ロイコトリエン受容体拮抗薬
and/or
DSCG
テオフィリン徐放製剤(考慮) ロイコトリエン受容体拮抗薬

テオフィリン徐放製剤

長時間作用性β2刺激薬の追加あるいはSFCへの変更
以下を考慮

  • 吸入ステロイド薬のさらなる増量あるいは高用量SFC
  • 経口ステロイド薬

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